アクロポリスから宿に帰るときに立てた秘密計画
アクロポリスでの観光が終わり、宿に帰る途中俺は彼女に内緒である計画を実行に移した。
このことが原因でまさかのトラブルが発生するとはこの時はつゆ知らず・・・
実はイスタンブールでアテネの治安について調べている時、「オモニア広場」と言う場所の治安があまり良くないと言う情報を得ていた。
その場で俺は彼女に尋ねた。
オレ「 アテネに行ったらオモニア広場って所に行ってみない?」
彼女「 へー、どんなところなの?」
オレ「 アテネで1番治安が悪いところなんだってー(笑)」
彼女「いかなーい(即答)」
オレ「だよねー(笑)」
・・・ だが俺はオモニア広場が気になっていた。
そして、アテネの宿からアクロポリスに行くルートを調べているときに気づいてしまったのだ。
” アクロポリスから徒歩で宿に帰れば、そのルート上にオモニア広場がある”
今考えれば最低の行為である。
だって彼女を危険にさらす行為なのだから・・・
が、その時は自分の好奇心が勝ってしまっていた。
オレ「 宿には歩いて帰ろう。宿まではそこまで遠くないし、アテネの街並みを見てみたいし!」
彼女「うん!」
” やった!うまくいった!”
心の中でガッツポーズをする俺。
記事を書きながら改めて思う。
このときの俺、最低だわ(苦笑い)
オモニア広場
オモニア広場の手前、アテネ中央市場で彼女を襲った悲劇
アクロポリスから宿まで散歩しながら帰る。
この企画を彼女も楽しんでくれた。
裏の計画には気がつかれずに宿まで帰れそうだ。
しばらく歩くといつの間にか市場の中に入っていた。
野菜、果物、魚、肉と市場にはたくさんの食材が並ぶ。
俺と彼女はノリノリで一番内を散策する。
彼女「あっちも行ってみたい!」
彼女の指を指す方へ歩いていくと、そこは肉売り場だった。
そして、この市場の肉売り場はビシュケクの市場と同じで、肉が動物だった頃の姿そのままで売られていた。
もちろん毛皮を剥がされ、理科室の人体模型の右半分みたいな状態だ。
彼女はこのグロテスクな本当の”肉”の姿をしばらく見ると、
「もういい。行く。」
と言って早足でその場を立ち去る。
やはり、いつもパッケージに入ったスライスされている肉を見慣れた彼女にとっては、ショッキングな出来事だったようだ。
アテネ中央市場
オモニア広場の少し先で俺を襲う悲劇⁉︎アテナイの中心で猛烈に後悔する
俺たちは市場を足早に出て、元の通りに戻り、宿方面へ歩き出す。
するとすぐに眼前に大きな広場が現れた。
広場の中心には噴水がある。
その周りを円を描くように道路と歩道が通っている。
歩道側にはいろいろな店舗が並んでいる。
この後すぐに思わぬ事態が俺を襲う。
”ここがオモニア広場か・・・”
正直、昼間歩く分にはどうしてこの場所の治安が悪いのかわからなかった。
” もしかして夜になると危ない場所に変わるのか・・・”
” 夜にもう一度来てみるか・・”
”それともスリやひったくりが多いのかな・・・?”
などと思っているとフッとあることに気づく。
彼女がさっきからパーカーのポケットに手を突っ込んだまま、俺のやや前方を無言で歩いている。
しかも歩く速度がいつもよりちょっと早い。
アクロポリスや市場の手前までは一緒に並んで歩いて、手を繋いだり腕を組んだりしていたのに・・・
”よっぽどさっきの市場の肉売り場でショックを受けたんだろうな・・”
そう思いながら彼女に話しかる。
オレ「大丈夫?」
彼女「・・・・・」
オレ「まあ、日本だとあーゆー感じで肉売ってないからね〜」
彼女「・・・・・」
オレ「 でも、こっちの方が命のありがたみ、みたいなものが実感できるよね。」
彼女「・・・・・」
オレ「 気分転換にどっかお店でも入る?」
彼女「・・・・・」
オレ「・・・・・」
”あれ〜⁉︎ なんか無視されてるな・・・”
俺は彼女と手をつなごうと、彼女の手をポケットから引っ張り出そうとする。
ブンッ!!!!
思いっきり振りほどかれる。
”ヤベー、多分怒ってる・・・”
” でも、なんで怒ってるんだろう?”
その後、宿までずっと俺の少し前をポケットに手を突っ込んだまま歩く彼女。
怒っている理由がわからず、何もできないまま、まごついている俺。
宿には無事に帰ってくることができた。
宿に着いてようやく彼女が口をきいてくれるようになった。
完全に仲直りできたのはその日の夜のことだった。
彼女に怒っていた理由を尋ねると
「だって治安の悪い場所に行ったでしょ⁉︎」
”バレてたーーー(苦笑)”
なぜわかったのか理由は教えてくれなかったが女の勘って恐ろしい。
そして彼女に黙ってそんな場所に行った俺って最低だ。
本日の教訓
女性に隠し事はできない。