目次
きっかけは国民の幸せを求める国ブータンと日本での探偵の経験
GDP(国内総生産)とGNP(国民総幸福量)
ある時テレビを見ているとブータンについてやっていた。
ブータンと言う国の国王が来日すると言うニュースだった。
世界の各国がGDP(国内総生産)という経済的豊かさを求めた政策行うのに対し、ブータンではGNH(国民総幸福量)という指標を使い国民全体の幸福度を上昇させるための政策を行うという。
そしてブータンは経済的には決して豊かな国ではないが多くの国民が「自分は幸せだ」と感じているらしかった。
「経済的に豊か」で不幸な国と「経済的に貧しく」幸福な国
⑴「経済的に豊か」で幸福な国
⑵「経済的に豊か」で不幸な国
⑶「経済的に貧しく」幸福な国
⑷「経済的に貧しく」不幸な国
日本に住んでいると「経済的に貧しい国」の国民は「自分たちは不幸だ」と感じているのではないかと思いがちだ。
上記だと⑷に当てはまる。また⑴もなんとなくわかりやすい。
そして当時のブータンの状況が⑶に当てはまる。
「内戦中の国」や「治安の悪い国」の多くは⑷に当てはまりそうだ。
そして俺はこの⑶と⑷違いはどこから来るのか知りたかった。
前記したように想像力の足らない俺は、実際に行って違いを感じ確かめたくなった。
探偵の仕事を通して知った、日本人の不倫と離婚の実態。
「日本の夫婦の3組に1組は離婚する」は実態にそぐわない
「日本の夫婦の3組に1組は離婚する」
テレビやネットでたまに話題になる話だ。
実際にはもっと数が少ないらしい。
統計の取り方の関係でこのような数字になるようだ。
浮気しやすい人の傾向って性別、年齢、職業によってわかるの?
実は俺は20代前半の頃、探偵をやっていた。
そこでの経験は旅のきっかけにもつながる。
「家族ってなんなんだろう。」
そんなことをよく考えさせられた。
突然だが、ここで調査をしていて発見した不貞をしていた人の特徴紹介しよう。
まず調査対象者の男女比は1:1くらい、年齢は30代〜50代、職業は全般的だった。
ただ面白いことに対象者が公務員、大企業、病院などに勤めている方の場合、なぜかほぼ100%黒だった。
逆に自営業者の方は、不倫というより遊びのお付き合いが多かったように感じる。
そして会社の社長なんかだと依頼主がそもそも愛人って事がよくあった。
「私以外に愛人がいるのが許せない!」っていうのが依頼する動機。
また、特に印象的だったのは45〜50歳くらいの女性達だ。
彼女たちの調査はとても骨が折れる。
まず交通ルールは守らない。
肝が据わっていて行動が大胆でありながら、妙に勘が良くて非常に調査しずらかった。
そして家庭の事はかえりみない。
小学生の子供がいても平日に外泊、運動会の日や連休も男の家に入り浸り。
彼女たちの心はもう家庭には無いように見えた。
結局、事実はわかっても真実はわからない。
離婚とか不倫とかテレビドラマの中だけの話だと思っていた俺は、リアルな日本社会がこんなにもお盛んである事に驚いた。
それと同時に家庭が静かに崩壊している過程をまざまざと見せつけられ、日本の家族って結構ヤバい状況なんだな〜と漠然と感じていた。
ただ調査をしていてわかることは結果と実情だけだ。
そこに至る過程や原因まではわからないし、そこの部分が夫婦間でわからなければ、いくら調査してパートナーの浮気の実態がわかったとしても問題の解決にはならないだろう。
探偵はなかなかハード⁉︎ 気になる仕事内容
探偵の仕事内容
話はさらにそれる。
話題が逸れていることは承知しているが、あえてここで探偵の仕事内容にも触れてみよう。
まず探偵の仕事はかなりハードだった。
拘束時間ブラック、仕事内容ブラック、賃金ブラック、社会保障ブラックと今思えば、ほぼほぼ全てのカテゴリーでブラックな会社だった(苦笑)
浮気調査の場合は対象者が自宅を出て帰宅するまでを追い続ける。
なので対象者が家を出る前から張り込まないといけない。
彼氏、彼女とホテルに入れば出てくるまで待ち続けなければならない。
車で調査する時は対象者の車にGPSをとりつける。
その為、深夜早朝に現場入りしなければならない事も日常茶飯事だった。
そうなると必然的に稼働時間は長くなる。
その上、仕事は北海道から九州沖縄まで全国にあった。
探偵の給料を時給換算してみたら「416円」だった(笑)
給料は日給1万円。
でも例えば8時間かけて現場に行って深夜にGPSを取り付けて、早朝から張り込み夜帰宅して、深夜にGPSを回収してまた3時間かけて次の現場に移動してGPSを取り付け・・・
って24時間働きっぱなしやないかい!
時給換算で416円で社会保障も無し、3年間やってお金はまったく貯まらなかったな。
まあ経験というお金では買えないモノはたくさん溜まったし、世界を旅するための行動力みたいなものは錬成されたかな〜とは思うけど・・・
最初の半年は大失敗の連続だった
調査が失敗するときのパターン
話はまだまだそれます。
次は失敗の話。
探偵の調査で失敗は付き物でいくつかのパターンがある。
1、対象者に発覚する。
2、調査器材を回収される。
3、対象者を見失う。(失尾)
4、警察に通報され連行され調査継続不可になる。
上記1、2はヤバい失敗、3、4は後々取り返せる失敗。
なので3と4の失敗は割と良くある話で普通の探偵会社でも月に2、3回は起きるんじゃないかな。
1と2は年に1回起きるか起きないかの失敗。
そして俺は探偵を始めて最初の半年は、1と2の失敗を週イチで引き起こすやばい奴だった。
調査が対象者に発覚した時に調査員の身に起こること
1と2の失敗は仕事的に言えば継続する事が困難になり、依頼人の要望に応えられなくなる。
そして現場的には発覚したことで調査対象者に怒りを買い、車で何十キロも追いかけられたり、徒歩の場合は捕まってしまったり、警察に通報されて事情聴取されたりと始末に負えない(苦笑)
もちろん仕事は非常にやりにくくなる。場合によっては調査打ち切りだ。
当時はかなり凹んでいたが今となってはいい経験。
危険な都市に行く時もこの時の経験はとても生きた。
そして何よりこんなポンコツでも面倒を見続けてくれた社長に感謝だ。
結局、経済的に豊かな国ニッポンの国民は幸福なの?それとも不幸なの?
幸福度調査ではどの調査結果を基準にするかによって、結果が変わるため参考にしかならない
話を旅のきっかけの話に戻す。
日本の家族のマイナスの部分ばかりを間近で見てきた俺だったが、では実際問題我らが日本人の幸福度ってどうなん?ってなことに答えは出せなかった。
例えば、客観的データに世界のいろいろな機関が調査した各国の幸福度をランキングにしたものがある。
しかしこのようなランキングはあまりあてにならない。
なぜなら、例えば国連の世界幸福度報告では、日本は世界150カ国中だいたい50位前後を毎年行ったり来たりしている。
先進国の中では最低ランクらしい。
確かに日本は超少子高齢化社会、デフレ、自殺、ブラック企業、隣国との関係など問題が多い。
このデータをもとに考えれば日本は「経済的に豊か」で不幸な国って事になる。
しかしスイスの調査機関の幸福度調査によると、日本は15〜25位と先進国の中ではトップクラスとなり国連の調査とは真逆の結果になる。
こちらの資料で見れば日本は「経済的に豊か」で幸せな国という事になる。
つまりどこに着眼するかによって結果が随分変わってしまうので、この手の調査では国民の心が豊かなのか、そうでは無いのかということはわからないということだ。
であるならば、やはりデータと並行して実際によその国を見て感じなければ納得いく答えには繋がらないと感じた。
日本人は物質的な豊かさと引き換えに心の豊かさを失ったのか⁉︎それは豊かになる前の日本を知らないとわからない
そもそも経済成長しきった状況の日本に生まれた俺に、物質的に貧しかった時の日本の状態がわからない。
昔の日本人と今の日本人がどう変化したのかもわからない。
貧しかった時に、日本人がどんなだったのか。
だからこそ、このことも途上国にタイムスリップ!?すれば少し見えてくるかもしれない。
日本人が物質的な豊かさと引き換えに何を得て何を失ったのかを。