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座席の陣取り合戦inユーラシア
飛行機のエコノミークラスや新幹線にある3人掛けシート。
あれって席が埋まると肘のやり場に困る。
特に真ん中の席。
席と席の間に肘掛けが1つしかないから、ついつい遠慮がちになって小さくなってしまう。
通路側の席や窓側の席の時はそれぞれの方向に思いっきり肘をかけられるから、なるべく真ん中側の肘掛けは真ん中の人に譲るようにしている。
自分が真ん中に座っている時も割とこのように肘掛けを譲ってくれる人が多い。
イスタンブール行きの飛行機で隣の席に座った肘掛けを譲る気ゼロの窓側席のおっさん
キルギスの次は一気にトルコのイスタンブールまで移動する。
スケジュールと財布の都合上、この間は飛行機を使用してかっ飛ばす。
そしてイスタンブールではオーストラリアで出会った彼女と合流する予定だ。
彼女と一緒に海外旅行をするワクワク感と、無事にイスタンブールで落ち合えるのかというハラハラ感に同時に包まれる。
今回利用したのはトルコの格安航空会社ペガサスエアラインだ。
口コミはこちらを参照。
この飛行機で俺は真ん中席だった。
着席しようとすると隣の窓際席の屈強なおっさんが両肘を肘掛けにのせていた。
手が思いっきり真ん中席まで腕がはみ出ている。
「・・・・・」
最初、少しの間我慢していたがこの窮屈状態が4時間も5時間も続くと思うとゲンナリした。
アジアの上空で肘掛けをかけて繰り広げられる攻防
意を決して俺は自分のテリトリーを体で主張することにした。
肩を落として肘を張る。
丹田に力を込める。
窓側の肘掛けの面積の半分くらいのところにおっさんの肘を押しのけて強引に俺の肘をのせる。
そこからはもう押しくらまんじゅう状態。
どちらも譲る気なしだ。
グイグイとお互いに無言で肘掛けの領有権を主張し合う。
機内食の時間になってしばしの休戦協定。
食後、再び肘の張り合いが始まるのかと思いきや、ある行動によっておっさんの態度が急変する。
それはCAが食事の回収に来た時だった。
俺は普段、通路側に座るときは、いつも隣の人や窓側の人の残飯を集めてCAに渡す。
CAさんへの気遣いだ。
この日も例にもれずおっさんの分の残飯も自分のとまとめてCAに渡した。
もちろんこれもCAへの気遣い。
するとおっさんは急に俺に話しかけてきた。
心を開いたおっさん!実はソルジャーだった!
「 あんた、どこの国の人?」
「 日本。あなたはどこの国の人?」
「 コソボ」
コソボと言えば昔よくテレビでコソボ紛争のことをやっていた。
戦争が絶えないイメージであった。
「 コソボ!?戦争大変だったね」
「 とても大変だった。私は兵士として戦っていたんだ。」
「!!!」
驚いた。
戦争で戦っていた人が普通に飛行機に乗っている状況が新鮮でもあった。
そして、こんなやばいおっさんと肘の張り合いをしていたなんて・・・とちょっとびびってしまった。
「 これから国に帰るんですか? (敬語)」
「 いいや、 これからドバイに出稼ぎに行く。俺の国は貧しいから仕事がないんだ。だがドバイには仕事がある。」
なるほど・・・
せっかく戦争が終わっても貧しいから海外まで出稼ぎに行かないといけないのか!
悲惨だなぁ。
言葉が通じれば戦争の事とか国のこととかいろいろ話したかったが、何せ お互いに片言の英語だったもんで・・・。
イスタンブールに到着する頃には、なぜかお互いにがっちり握手を交わして、お互いの国の硬貨を交換した(笑笑)
本日の教訓
隣の席の人は、実はやばい人かもしれない。